供述心理学研究所・埼玉

鑑定・意見書事例



作成した鑑定書 意見書 アドバイスの例


女児に対する強制猥褻容疑事件における「被害児」供述の心理学的分析
   小学生女児に対し,下着を下すなどの行為を容疑として逮捕・起訴された事件。女児の供述能力の発達心理学的な評価,内容の合理性や供述形成における他者関与の可能性などを検討。供述の信用性判定時に必要な考慮事項を指摘したもの。


保険金詐欺事件における「共犯者」供述の心理学的分析

 倉庫への放火事件の実行犯が,その犯行を保険金詐欺を目的とした倉庫の所有者に依頼されて実行したものとして供述し,その供述を根拠として所有者が逮捕起訴された事件。実行犯の調書を時系列および場面別に分析をし,共謀に無関係な自己の犯行に関する供述と,所有者との間での共謀に関わる部分の供述で,供述変遷構造が統計上も明らかに異なり,両者は全く異質ものと判定されること,さらに共謀に関わる供述内容は,客観的資料と照らし合わせて合理性に欠け,共謀での犯罪を合理的に再構成することが著しく困難であること,供述者の供述特性には作話的な傾向がはっきりと見られることを明らかにしたもの。


セクハラ解雇を巡る当事者供述の信用性に関する心理学的分析

 女性からセクハラを受けたとして雇用先に訴えられ,解雇されて起こされた民事訴訟。解雇の根拠とされた雇用先における聞き取り調査について,客観資料との対応性や供述の一貫性,整合性,合理性などについて「被害者」と「加害者」の供述内容を項目ごとに分析,比較対象し,その信用性の優劣を判定し,あわせて雇用者による調査の適切性を検討したもの。


組織的殺人事件における「共犯者」供述の心理学的分析(→目次)

 組織的殺人事件について,現場で指揮を執った人物が,上位者の指令によって犯行を行ったとする供述を行い,上位者が逮捕起訴された事件。実行犯の供述内容の時系列的変遷内容と,残された移動記録,通話記録などから客観的に再現可能な犯行時系列に基づく供述の合理性を分析。さらに同供述が持つ独特の「臨場感」について,それが体験事実に基づく臨場感であるか,映画や小説などに見られる虚構の物語的臨場感と考えられるかを検討。また供述者が「唯一の客観的事実について誠実に語ろうとする姿勢をどの程度持っているか」について多くの公判供述資料を詳細に分析。いずれの観点から見ても,実行犯の供述は信頼性を認めるに至らないと判定したもの。

  ⇒ 参考文献 山本登志哉 2017
     供述分析と心理学的合理性
     (浜田寿美男編「供述をめぐる問題」第三章 岩波書店)


知的障がい児の聴取時に必要な注意事項の心理学的解説

 知的障がいを持つ女児に対し,強制わいせつを行ったとして逮捕起訴された事件。女児の証言の形成過程にかんがみ,一般に知的障がいを有する子どもへの聴取においてはどのような注意が必要か,この点で過ちを犯さない取調べ方法について進んだ取り組みをしている英米の基準や,日本学術会議による同種問題に関する提言などを資料として,取調の不備が証言に及ぼした影響に関する注意事項を指摘したもの。


中国残留孤児が抱えた帰国後の適応困難についての心理学的解説

 国策によって望まぬ形で中国残留孤児となり,苦労を重ねてきた人々が,帰国後にも十分な支援を得られないことで経済的にも心理的にもさまざまな困難を抱えてきたことに対し,国家賠償を求めた訴訟。残留孤児が帰国後に体験した困難を生み出す原因を,発達心理学,文化心理学,第二言語学習の観点から整理し,解説。さらに厚生省(現厚生労働省)の調査データの再分析に基づき,それらの要因が実際に残留孤児の言語習得状況などに影響を与えていると考えられることを示し,さらには今後の日本社会での不適応状態の軽減のために,国がどのような姿勢で問題に望むことが望ましいと考えられるかを論じたもの。

  ⇒ 参考文献 山本登志哉、2008
     事例報告 中国「残留孤児」国家賠償訴訟への心理学からの意見書
     法と心理、7(1) 107-108 (法と心理学会編 日本評論社刊)
 

知的障がい児の供述評価に関する発達心理学的アドバイス

 知的障がい児の供述が,聴取者の聴取法に影響を受けて無意図的な虚構の事実を語ってしまう可能性の評価について,当該児の発達レベルの評価に基づき発達心理学的観点からアドバイス。


原発事故による強制避難が被災者にもたらした困難に関する文化心理学的アドバイス

 原発事故によって「故郷の喪失」状態に置かれた被災者の被害は,どのような意味で一般の地震・津波による被災者と異なるのか,「故郷の喪失」は被災した個々人にとってどのような意味を持っているのかについて,文化心理学的観点から解説し,コミュニティ崩壊が直接に個々人に損害をもたらすことで賠償の対象ともなりうる可能性について,理論的な面でアドバイス。