文化理解の方法論研究会(MC研)

次回研究会のお知らせ


【日時】3月20日(日)14:00〜18:00  

【会場】 zoom

【参加費用】無料

【参加方法】出席を希望される際には、事前にこちらからお申し込みください。

【発表と議論】

発表
タイトル)
発達障がい者と定型発達者のコミュニケーションを考える:
      相互行為分析,ディスコミュニケーション分析,そして逆SST

話題提供者)
 大内雅登(発達障がい児支援:こどもサポート教室・ 発達支援研究所)
 高木智世(言語学:筑波大学)
 山本敦(認知科学:早稲田大学)& 牧野遼作(認知科学:広島工業大学)
 渡辺忠温(文化発達心理学:発達支援研究所)

企画趣旨)
 多くの身体障がいとは異なり,自閉症など,発達障がいの「特性」 による「困難」は主として周囲の人々とのコミュニケーションの中に「関係の問題」として現れます。そこで「障がい」をその人の内部の問題としてではなく,コミュニケーションの困難に現れる「関係の質」の問題として読み解いてみる。それが今回の研究会の議論で重視する視点となります。
 定型発達者と自閉症者などの発達障がい者のそれぞれのコミュニケ ーションにはどのような特徴があり, それがどのようにずれているのか。そのようにずれた特性を持つ者同士の間でどのように意味の共有理解が模索され,達成され,または破綻するのか。
 今回のシンポジウムでは,療育支援に現場で携わる当事者の方や,関連する実践的・理論的研究を行っている研究者の方たちと共に,当事者の視点から見えてくるズレや,療育支援のやりとり,家族内でのやりとりの中に浮かび上がるズレを素材に会話分析を含む相互行為分析,ディスコミュニケーション分析の視点,そして逆SSTという対話的相互理解実践の視点から何が浮かび上がるか複数の視点を交差させながら議論してみたいと思います。


 @大内雅登(発達障がい児支援:こどもサポート教室・ 発達支援研究所)

 「自閉系者の発話意図を定型発達者が誤解しないために必要な視点」

 定型発達者と発達障がい者とのコミュニケーションが成立しにくい理由として,注目する部分のズレがある。一般には発達障がい者、特に自閉系の人たちは相手が言っていることや感じていることを理解したり、気づくのが難しいとされ,また自分が言いたいことや感じていることを相手にわかりやすく伝えたり、表現するのが難しいと見なされることも多い。だが,このことを裏返して言えば自閉系が相手にわかりやすく伝えるのが難しいのではなく、定型発達者にとっては自閉系が言っていることや感じていることを理解するのが難しいとも言えるはずである。本発表では、自閉系の高校生との会話を例に、一見すると定型発達者が誤解しやすい彼の発話の本来の意図をどう聞き取れるのかを検討することにより,定型発達者の側にも求められる語り方・聞き方の工夫について考えてみたい。

 A高木智世(言語学:筑波大学)

「相互行為における共振・協働・協調:ASD児同士の余暇活動の相互行為分析」

ASDの診断基準の一つとされる「社会的コミュニケーションや相互行為における持続的『欠陥』」とは、定型発達者と非定型発達者の間で経験される現象である。本発表では、ASD児同士が「余暇活動」として与えられた「課題」に取り組む場面の具体的な分析を通して、参加者が共振的・協働的にふるまうことによってその「課題」を「共に楽しみながら達成する」ことが可能となっていることを捉える。このようなASD児の豊かな相互行為能力が観察される一方で、同じ場面の相互行為的協調性において定型発達者との異なりが垣間見えることにも着目し、活動に「共に参加する」仕方には少なくとも共振・協働・協調の三つの水準があること、そして、そのことが定型発達者と非定型発達者の間の相互行為についてどのような示唆を与えうるかを検討する。

 B山本敦(認知科学:早稲田大学)& 牧野遼作(認知科学:広島工業大学)

 「相互行為分析は非定型的相互行為をいかに記述できるか?――行為”理解”の構造に着目した探索的検討」

 会話分析はコミュニケーションを行為の相互調整的な産出過程と捉え、そこで用いられる行為の産出と理解の参照枠(プラクティス)を明らかにする研究領域/分析手法である。その手法を基礎として様々な領域で展開している相互行為分析では、発達障碍をはじめとした様々な障碍によってコミュニケーション上の困難を抱える人々との相互行為の特徴や相互行為能力を、「非定型的相互行為」の名のもとに明らかにしてきた。しかし、会話分析が前提とする相互行為観には、発達障碍に見られるような、ものの見方や考え方、その表現の仕方の違いが、常に相互行為に潜在する可能性は含まれておらず、定型発達者の観点から非定型発達者の相互行為を歪めて分析してしまう可能性に常にさらされると考えられる。本発表では、身体知的重複障碍者の家庭での日常生活のビデオデータを、相互行為分析の手法の一つであるGoodwinの協働的行為の分析によって詳細に検討することを通して、上述の可能性に対して、相互行為分析はどのように対処していくことができるのかを考えたい。

 C渡辺忠温(文化発達心理学:発達支援研究所)

 「『お互いに』の前の『お互いさま』を育てるために〜逆SSTから始まる対話的関係調整」

 発達障がい者と定型発達者との間での関係調整における不均衡(発達障がい者が定型側に合わせる)から、双方向的な関係調整への変化をもたらすためには、まず発達障がい(者)に対する固定的な考え方や見方についての気づきが必要となる。逆SSTの実践において、当事者からの出題を考え、それに質問・回答していく過程を通じて、回答者には、当事者視点での理解とともに自らのそれまでの理解のあり方への振り返りが生じる。本発表では、これまで発達支援研究所で行ってきたイベント、大学生を対象とした模擬的逆SSTなどの回答データなどにも触れながら、発達障がい者・定型発達者間の「理解」の難しさと、それを乗り越えるための逆SSTの可能性について考えたい。




■次々回のMC研

      
【日時】月 日(土)14:00〜18:00

【会場】 zoom

【参加費用】無料

【参加方法】出席を希望される際には、事前にこちらからお申し込みください。

【発表と議論】14:00〜

タイトル) 

発表者:


内容) 


■研究者に限らず、どなたでも参加できます。